教師は・・・変装してやってくる!?

 「あなたの教師は、変装してあらわれます。子どもの姿で、よぼよぼのおばあちゃんの姿で、または黒人の清掃係の姿で、あなたの前にやってくるのです」。


『「死ぬ瞬間」と死後の生』の著者でもあるキューブラ・ロスの言葉。


わたしは、自分の体験から、この感覚に深く共感し、長年、拠り所にしている。


 随分前の話しだが、通っていた公立中学の文化祭の展示のテーマが「生きる」・・・


という年があった。


「いろんな本を読んだり、おとなたちにインタビューしたものをまとめて、展示する」。


わたしには、そんなイメージしかなかった。


学級会での話し合いが進まない中、ちょっと氣だるい雰囲氣も漂っていた時、


クラスのヤンチャな男子(いわゆる‘不良’と呼ばれていた男子)の一人が手を挙げて、


「空き缶拾い、しよっ!」って言った。


その瞬間、なぜか、クラスの空氣感が変わった。


頭でっかちだったわたしは、心の中で「空き缶拾い・・・????? 


『生きる』っていうテーマで・・・。


何で、そんなことやらなきゃいけない?????」


と、正直、動揺を隠せなかった。


しかし、クラスの雰囲氣は、なぜか活氣づき、本当に「空き缶拾い」をすることに


決まった。


それから、毎朝、登校前に、友だちと自転車でゴミ置き場をまわり、空き缶を拾い、


それを洗い、文化祭前日まで、屋上に保管しておくことになった。


日が経つにつれて、みんなが集めてきた屋上の空き缶が、だんだん増えてゆき、それを見て


いると、結構、圧巻。何か楽しくなっている自分がいた・・・。


当時は、スチール缶で、種類もそれほど多くなく、コーラとスプライト、ピーチ缶などが、幅をきかせていた。


文化祭前日、教室の壁を空き缶アートで埋めようと、ピーチ缶でハート型をデザインしたり、スプライト缶だけで、教室の空間に、巨大なアーチもつくった。


打ち合わせは殆どしていないが、やりながら、ヤンチャな男子も、おとなしい子も、


真面目な子も、何かみんな、ウキウキしながら、協力してしまっている!?


言葉の展示・・・一切、なし。。。


そして・・・当日。


他のクラスは、いわゆる‘調べものやインタビュー’等の展示が続く中で・・・


やはり我がクラスの‘空き缶アート’は、際立つ、際立つ!!!!!


訪れたおとなたちや子どもたちの、驚いたような、ハッとしたような、意表をつかれたような笑顔・身体の感じ。。。


スプライト缶アーチをくぐる子どもたちやおとなたちの姿、何十年も経った今でも、動画のように思い出す。


そして、翌日、わたしは熱を出して休んでしまったのだが・・・^^;


空き缶回収業者に来てもらったら、


「いや〜、よくやったね、みんな!」と褒められ、全員、アイスをおごってもらったそうな。。。


1979年の出来事。住んでいた沼津市は、1975年から、空き缶の分別回収が始まっていた。


当時は、生徒も先生も、ゴミ問題、環境問題、エコなんて・・・一切知らない。


考えたこともないし、聞いたこともなかった。


しかし、ヤンチャ仲間の一言で、今からふりかえると、時代を先取りし、思考から解放されたのびのびアート、プロセスを、みんなで楽しくやってのけている。。。


毎日、ケンカ騒ぎが起こり、それをハラハラしながら見守り、クラス委員だったわたしは、危険がせまれば、先生を呼ぶことも視野に入れながら、当事者に話しかけたり、黙って見守ったり・・・。


そんな日常だったが、今から思えば、わたしの基盤・根っこを育ててくれたのは、この公立中学のあまりにも多様で愉快な!?クラスメートたち。。。


日常生活でも仕事でも、出会う眼の前の人が何歳であっても、どんな立場であっても、誰であっても、「この人が、わたしの思い込みを超える‘師’かもしれない」というワクワクは、常にある。。。


逆に、外側を飾るもの・・・いわゆる社会的地位や名声がある人だからと言って、特別にあがめたりもしない。いつも、眼の前の人の中心とつながる感じ。


‘人として、今・ここで、どう出会えるか?’


わたしの興味関心は、究極、そんなことだけかもしれない。


 今日は・・・一年で一番昼の長い、夏至。


なぜか、中学のヤンチャ仲間も思い出し、感謝していることを伝えたくなった。


今、どこで、何してるんだろう? 


相当、大きなクシャミ、してるかも!? ^^


 あなたの前には、どんな‘変装した教師’、現れてますか? 




*写真は、以前、職場の同僚からいただいた、お土産のネイティブ・アメリカンの

スピリットストーン。

体調を崩しやすかったわたしに、太陽のパワーをという心遣いが嬉しかった。

この石、ものすごくさわり心地がいい。

握るだけで、心もふわっとなる。

ゆる茶(我が家)やワークショップにいらした方は、ぜひ、さわってみてくださいな。

20代から長年、入院した時も、いつもそばにいてくれる、ガラスの鴨さんたちも、

涼しげ。いつもありがとう(*^.^*)


0コメント

  • 1000 / 1000