昨日2月1日、佐藤初女さんが永眠されました。
以前、FBやブログにも書きましたが、初女さんの講演会に一度伺い、ゆりかごのような何とも言えずやさしくあたたかい声・お話しを聴かせていただいたことがあります。
「本当の奉仕とは、相手が望んでいることを自分で感じ、チャンスをみてさりげなく差し出すこと。それは道端に置いて通り過ぎるようなもの。振り返りもしないで」。
この在り方に、深く感じ入っています。
初女さんは、18~35歳の17年間、闘病生活を送られ、52歳でだんな様を見送り、80歳で息子さんを見送られました・・・。
「森のイスキア」の活動のもとを辿ると、1970年代、自宅の染め物工房として使っていた一室を「狭くてもよい、ここにどなたをもあたたかく迎え入れよう-----」そう心に決めたことが始まりだったそうな。
それ以来、何かしら問題を抱えた人たちが話しをするためにそこを訪れるようになります。
そして2階を増築し、やがて青森県弘前市の岩木山の「森のイスキア」で、訪れる人たちの話しをじっくり聴き、おむすびや旬の食材を生かしたシンプルな料理をつくって一緒に食べるように。
死よりほかに考えられなくなっている人も、ときどき訪れます。
ある青年は、家族に勧められて森のイスキアに一泊したものの、「帰る、帰る」と言い、初女さんはおむすびとおかずを一緒に詰めて駅まで送って行き、お弁当を渡しました。
後でわかったことですが、その青年が「生きよう」と思い直したのは・・・
「お弁当を開いたら、おむすびがタオルにくるまれていたから・・・・・」。
おむすびを持ち歩くとき、ラップやアルミホイルで包むと海苔もごはんもふやけて味が変わるので、初女さんはタオルで包む。起毛した糸が熱を吸収してくれるので、おむすびの味が変わらない。青年はそれに感じたそうです・・・。
毎日の何氣ない眼の前のことに心をこめる。そのほんの小さなことが、その人にとって必要なときは、大きく響いていく。
初女さんの存在がもたらしたもの、小さなことに心を込める生き方に・・・深く敬意を表し、その一端を受け継いでゆきたいという氣持ちを新たにしています。合掌。感謝。
0コメント