「上手の先には何も無い」

画家・熊谷守一氏(94歳)と妻・秀子さん(76歳)の晩年の日常を、言葉少なく、時に可笑しく、佇まいで魅せる映画。

想像以上に、余韻が深い。。。

「上手の先には何も無い」

「へたも絵の内・・・」。

山崎努さんが演じる熊谷氏は、何十年も、日中は鬱蒼とした自宅の庭の随所で座り込み、寝転び、ひたすら自然を観察し続ける。

樹木希林さん演じる妻秀子さんや来客とのとぼけたやりとりはあるが、文化勲章の内示の知らせもどこ吹く風・・・。

「これ以上、人が来ては困る」と辞退。

そして、夜に「学校に行く」と書斎に入り、絵を描く・・・

そんな日常を淡々と続ける。

人間は、歳を重ねる毎に地に近づく。

重心が低くなり、存在そのものが物語る。

そのことが、自然で心地よく感じられた。


2018.9.1

1コメント

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  • 美樹生

    2018.09.01 12:40

    確かにその通りかも知れませんね…其れを懺悔と言うのでしょうかねー…