二つの写真展・・・

なかなか自分の時間をつくれなかったのですが・・・

TOP(東京都写真美術館)で観たい展示が二つあり、先日行ってきました。

一つは、山沢栄子さん(1899〜1995年)『私の現代』。

時代を超えた〝存在〟を感じる作品の数々・・・。


ポートレート、一枚を二つに区切ったり、二枚を一つに額装した作品群、抽象画風・・・

どれも古くて新しい。

昭和が始まろうとする1926年に単身渡米され、戦前・戦中・戦後に写真を職業として身を立てられた生き方も知りたくて、『私は女流写真家』インタビュー本も購入。

マニュアル的なことは何も出てこない・・・。

「いい顔というのは、その人の持っているいい内容だからね。だから、撮る人がそれだけのものを、つかみとれる人でないと撮れないです、いくらカメラが良くても」。

この言葉に・・・撮る以前のことが集約されているような氣がして身震いしています。


そして二つ目が6人の作家による『至近距離の宇宙』。

発想*着眼点にハッとし、理科の実験を観ているような感覚に・・・。

特に印象に残ったのが、


井上佐由紀さんの<私は初めて見た光を覚えていない>。

生まれたばかりの新生児の瞳と死に向かう祖父の眼(全て片目)を写した作品*写真集・・・。

〝見る*見られるから解放された眼〟・・・その不思議な余韻が深い。

相川勝さんのAIがランダムに作り出した架空の人物のポートレート、


濵田祐史さんの<Watermark>・・・東京湾の海水を用いて手作りした印画紙にプリントしたフォトグラム等々にも足を止めた。

一方、この後に山沢栄子さんの作品*展示を観て良かった・・・。

自分の中で、大切にしたいもの*ことが改めて浮かび上がってきたようなひととき。

感謝

2020.1.26


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