「没後50年藤田嗣治(レオナール藤田)展」・・・想像を超えていた。

二度の「世界大戦」・数々の「戦時」を生きながら・・・

‘81年の人生の中で60年間、作品を描き続けた希有な画家’

「没後50年藤田嗣治(レオナール藤田)展」・・・想像を超えていた。

「素晴らしき乳白色」のイメージが強調されることが多いが、激動の時代の人生は流浪の民のよう。

多文化に身を置き、作風の多様さ、多才さ、作品を生み出し続けたエネルギーに驚く。

◯黒田清輝風の‘浴衣姿の女性像’

◯俵屋宗達ら琳派を思わせる背景

◯ミレーのような風景画

◯中南米の‘褐色の女性像’

◯‘高齢の生物学者’

◯作戦記録画‘アッツ島玉砕’

◯カトリック受洗後に描いた‘藤田と妻を含む宗教画’・・・。

「神は細部に宿る」とも言うが、手の表情ひとつとっても、微に入り細に入り、天才性が感じられ、しばし魅入ってしまった。

写真の「カフェ」と名づけられた作品を始め、自作の額縁も見どころ。


人物の表情はメランコリックなものが多いが、「カフェ」の額縁には珈琲カップも彫られている等、その斬新さや遊び心に和む。

晩年は、フランス北東部に住み、礼拝堂の設計・絵画も手がけ、そこに妻と共に埋葬されている。

苦難の時代にあって、独自性・創造力を最期まで形にし続けた120点を超える作品・・・見終えたら、2時間を超えていた。

東京都美術館にて、10月8日(月・祝)まで。

2018.9.7のこと


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