苦難を乗り越え、60代で世界に見出された奇跡のピアニスト 〜『フジコ・ヘミングの時間』
(みなさん、こんにちは。酷暑が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか?
こちらは、諸事情が重なり、久しぶりの投稿です。
日付が遡るものも、少しずつアップしてゆく予定です。よかったら、ご覧ください)。
「この映画は、私のありのままの姿をとらえていますので、死んでから発表して欲しい(笑)」という2年間に渡って撮影されたドキュメンタリー。観て聴いて、味わってきました。
戦時中の差別、帰らぬ父、聴力を失った体験、無国籍で留学ができなかった時代を始め、波乱万丈の人生。
60代後半でようやく世界に才能を認められ、80代の今も毎日4時間の練習。世界各地で演奏会を続けるその姿(チャリテーコンサートも開き、動物福祉に長年寄付)、たくさんの猫や犬と共に暮らす日常は、明暗も色濃く、魅き込まれました。
リスト作曲「ラ・カンパネラ」・・・毎日の行いと精神性が出てしまう&死に物狂いで弾かないと弾けないという2017年12月の演奏も・・・圧巻。
ご自身が語っている言葉の中に・・・
「いつも、一つひとつの音に氣持ちを込めて、色をつけるように弾くことを心がけています。私のピアノの音色は、家具や家のデザインに例えれば、直線的でクールなものでなく、温かみのあるクラシックなスタイル。流行のものではないかもしれませんが、そこにはストーリーがあります。」
企画・構成・撮影・編集・監督の小松荘一良さんの次の言葉にも大きく頷く。「会ってから帰るまで、その日はずっとカメラを回しているという具合でした。目を見ながら話していても、手にはカメラを持って撮影し続ける。カメラを止める時間が入ると、オンとオフの切り替えが入るし、カメラを意識したコメントをしがちだからです。いつも回っている状況は撮る側も撮られる側もとても疲れますが、続けているとやがてカメラは空氣のような存在になり、自然な言葉が出てきます。今回、カメラを回し続けることは重要でした。」
横浜のジャック&ベティでは8/3までの上映だったが、都内ではまだ上映中。
おススメです。
2018.8.5
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